キャブレターのセッティングは大変!
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fuel injection フューエルインジェクション FI スーパーキャブレター チューニングパーツ

      エンジンに必要な混合気は運転状況で変化します。
      理論的な混合比は1/14.7程度ですが、出力が最大になるのは、混合比1/12程度。また経済的な燃料消費率を押さえた混合比は1/16程度です。
      ただアイドリング付近は残留ガス率が高い状態なので必要な混合比は、1/13程度の濃い状態を要求します。
      キャブレターはエンジンの運転状況に合わせて、混合比を変化させないといけないのですが、これは結構大変なことで、キャブレタは様々な機能を組み合わせることでなんとか実現しています。

      まずは、それらの苦労について簡単に説明します。

      良くキャブレターの構造説明として、単純気化器と呼ばれるモデルで説明されています。その内容は霧吹きの原理(と言われるものの、キャブに相当する構造の霧吹きか大昔前に主流では無くなっていて最近の霧吹きでは構造が違うので説明としてはどうかと...)で、エンジンが吸い込んだ空気がキャブレタを通るときに、開口断面積が絞られた弁チュリー部分を通過すると、その部分に負圧が発生して、下部のフロート室に溜められたガソリンを吸い出して、霧状に空気と混ざって混合気になるというものです。またガソリンは吸い出される時に燃料ジェットで計量されて、適性な混合比になるという説明です。

      この説明は原理を説明するためには有効なのですが、実際にセッティングをしようとするとこんな基本的なモデルを頭に浮かべていては先に進めません。

      しかし、バイク雑誌などの説明には、これ以上の説明は無く、そのくせ、これでキャブセッティングをやってみよーなんて書いてあると、さすがに雑誌社の文系編集員は机上の空論でキャブセッティングをやるだけで、実際に手を汚してキャブレタを分解したりはしていないなと思います。

      この単純に構造のモデルではキャブレタとしては使い物になりません。
      まず、エンジン回転数が上昇するに従い、どんどんと混合比が濃くなって失火します。 負圧の発生は通過空気量の概略二乗で増加しますので、アイドリングが出来たとしても、少しでもエンジン回転が増すと、一気に混合比が濃くなりエンジンは不調になります。逆にその時にいい混合比になるように調整すると、回転が低下した場合に一気に混合比が薄くなって、失火します。
      つまり単純気化器の構造では、アイドリング一定回転数で動くキャブレタにしかなりません。

      現物のキャブレタでは、通過空気量の増加に対して、ほぼ二次曲線で燃料が増えることにな単純モデルに補正機能を追加して、ほぼ比例に燃料が増えるように、混合比がひどく変化しないように工夫がされています。
      大抵の場合は、空気ブリード式という、エアジェットをキャブレタ上流に設置して、そこからのエアを空気ブリード管に通して、燃料ジェットを通ってきたガソリンと混ぜる方法を使っています。
      負圧が高まって、ガソリンを強く吸いたくなっても空気が混ざっていてガソリンがうまく吸えないという効果と、通過する空気量が増すとエアジェットから入ってくる空気量が増して、ガソリンを強く吸う力を減らすという補正を行います。

      エアジェットはキャブ前面にあります。空気ブリード管は燃料ジェットのホルダー兼用の場合がほとんどで、管の周囲に小さい穴がいくつもあいています。

      良く、ジェットの番数を変えることでキャブレタのセッティングをすると本には書いてありますが、これは基本的な部分では大嘘です。
      この空気ブリードの仕組みでわかるように、ジェットの番数を上げて、ガソリンが多く流れるようにすると、空気流量が増した時には、相対的にエアブリード量が足りなくなり、混合比が濃くなる方向にずれます。
      つまり中速域で10%ガソリンを増す為に、ジェットを変えた場合、高速域では、エアブリード量が相対的に不足して、ガソリン量は10%をはるか越えて増すことに陥ります。
      ジェットの交換で混合比のリニア性は失われます。

      正しいジェットの変更というのは、同時にエアジェットの交換が理論的は正解です。
      ただノーマルキャブレタでエアジェットの交換が出来ることは稀です。
      また、エアジェットを交換するということは、同時に空気ブリード管の交換も必要ということなのですが、これも違う型番が準備されていることは稀です。
      レーシングキャブレタではない、ノーマルキャブでジェットの変更をするのは、結構大変なことです。
      ちなみにメーカーは数多いテスト走行によって、ジェット番数、エアジェット番数、空気ブリード管の穴数や穴径などを決定しています。 マイナーチェンジ後にキャブレター内部の空気ブリード管の穴数が一個増えていたという様なケースがあるくらい、微妙な変更を行っていることがあるぐらいです。

      続く


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